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裁判費用カンパのお願い

一般社団法人Colabo

 

Colaboに対する事実無根のデマや誹謗中傷、活動への直接的な妨害が止まりません。

1月4日に東京都に対する監査結果が公表され、Colaboとしては当然の結果でありますが、不正がなかったことが明らかになりました。(詳しくはこちら

 

しかし、ネット上でのデマ拡散は止まらず、Colaboを揶揄し中傷する動画や投稿が大量に流れています。活動拠点を覗きに来たり、スタッフの自宅やシェルターの場所を特定し晒そうとするなどの行為や、12月末からバスカフェへの直接的な妨害も続いています。

 

1月18日のバスカフェでは、複数人の男性が押しかけ、入り口付近で大声で怒鳴る、出入りする女性やスタッフを撮影しようとする、それらの行為をやめるよう対応した弁護士に対し故意に肩をぶつけ威圧する、バスカフェのすぐそばに政党ののぼりを立てながらYouTube配信をして、こちらの様子を観察するなどの妨害があり、利用する女の子たちやスタッフにとって大変な恐怖となりました。(詳しくはこちら

 

このように、ネット上のデマや誹謗中傷に扇動された者による直接的な妨害も深刻であり、警備を強化しながらなんとか活動を継続していますが、安全確保が非常に難しく、スタッフや女性達が危険にさらされる状態が今も続いています。

社会的に弱い立場に置かれている若年女性や彼女たちを支える活動をターゲットにしたこれらの行為は、まさに女性に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)であり、断じて許すことはできません。

 

これまでにも公表している通り、私たちはこうした謂れなき誹謗中傷や妨害行為等に対して、法的措置をとり対応していきます。すでに複数の訴訟・訴訟準備を進めており、多くの費用がかかっています。こうした攻撃に対し、私たちはできる限りの法的対処をしたいと考えていますが、そのためには、みなさんのご支援が必要です。

 

この度、裁判費用のカンパを募ることとしました。たくさんカンパが集まれば、より多くの被害に対処することができるようになります。

今Colaboが受けている攻撃は、女性に対するヘイトクライムであり、声を上げる女性達や、女性支援団体に対する攻撃でもあると考えています。女性に対するヘイトクライムは許さないと、多くの方々に共に声をあげ、ご支援いただけましたら幸いです。

 

ご協力いただける方は、以下口座へカンパをお振込みください。

 

■口座情報

三菱UFJ銀行 渋谷中央支店

普通) 0976145

イッパンシャダンホウジンコラボ

 

※訴訟費用カンパはこちらの口座にお振込みください。これまで使用している活動全般へのご寄付用口座とは異なりますのでご注意ください。

※頂戴したカンパは、裁判に関する費用に充てさせていただきます。

※裁判の進捗や報告につきましては、随時HPやSNSにて報告して参ります。

 

〇デマや誹謗中傷、活動への攻撃の状況について、これまでの弁護団声明等も是非ご覧ください

Colabo及び仁藤夢乃さんに対するネット上の攻撃について(2022年11月20日)

Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見を行いました。(2022年11月29日)

「Colaboと仁藤夢乃さんを支える会」が立ち上がりました(2022年12月2日)

東京都に対する住民監査請求の結果に関する一部情報について(2022年12月29日)

Colaboの生活保護関係等の業務について(2023年1月1日)

東京都に対する住民監査請求結果について(2023年1月4日)

Colaboによる若年女性の居場所事業への、深刻な憎悪犯罪(ヘイトクライム)に対する抗議声明(2023年1月22日)

 


【弁護団声明】Colaboによる若年女性の居場所事業への、深刻な憎悪犯罪(ヘイトクライム)に対する抗議声明

一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団

 

1  はじめに

2023年1月18日、Colaboが、若年女性の居場所事業(以下「本件事業」といいます)の一環として新宿区役所前で行っている「バスカフェ」に対し、複数の男性による直接の妨害行為がありました。

インターネット上にまん延する荒唐無稽なデマや過激な誹謗中傷に扇動された本件妨害行為は、本件事業の現場に対する直接的な攻撃であり、困難を抱える若年女性たちとその居場所をターゲットとした、深刻な憎悪犯罪(ヘイトクライム)です。私たちは、これに対し最大限の怒りを表明し、断固抗議するとともに、速やかに所轄の警察署に被害届を提出する方針であることを明らかにします。

また、私たちは、インターネット上で繰り返される荒唐無稽なデマや過激な誹謗中傷こそが、このような憎悪犯罪を生み出す土壌であると考えています。私たちは、本声明において、憎悪犯罪を扇動するデマや誹謗中傷に加担せず、これらを非難するよう、全ての人々に対し、呼びかけます。

 

2 1月18日の妨害の実情

妨害の実情は以下のようなものでした。

① 男性3人でバスの至近距離まで近づき、バスカフェ開催場所にいるColaboスタッフに向けて「おい仁藤夢乃出てこい!」「仁藤夢乃!国民の金返せ!!大嘘つきが!!」「公金チューチュー!公金チューチュー!お前ら公金チューチューのスキーム作ってんだろ、この団体で!」などと大声で怒鳴り続ける。

② バスに出入りする女性やColaboスタッフにカメラを向けて撮影しようとする。

③ バスに出入りする女性を観察し、後日その人数や服装をTwitterに公表する。

④ Colabo代理人弁護士から、妨害行為をやめ、バスの近くから立ち去るよう求められても妨害行為をやめようとせず、「弁護士、懲戒処分するから」「どうせ裁判なんか訴えてこねえだろ!」「仁藤夢乃の住所、教えてくださいよ」「人数を水増しして国に申請してる」「詐欺なんだよ、コラボがやってることって」と怒鳴り続ける。

⑤ 110番通報によって駆けつけた警察官に仲裁され、いったん離れた後も再度バスに近寄ろうとし、それを制止したColabo代理人弁護士に対し、故意に肩をぶつけて威圧したり、触れられていないのにわざと自ら転んで、「弁護士に暴行された」と怒鳴る。

⑥ バスカフェを利用しようとする10代の女性たちの通り道(新宿区役所前)に、政党名ののぼりを立て、Colabo代理人弁護士から目的を尋ねられると、バスカフェに出入りする女性の数をカウントすることが目的であると述べる。

⑦ 迷惑なのでやめてほしい、政治活動なら別の場所でやってほしいと伝えられても、「政治活動の邪魔をするのか」と開き直り、大音量のスピーカーで政党の主張を流しながら立ち続け、バスカフェを撮影する。

 

なお、現場の動画はこちら(https://www.youtube.com/@Colabo00000)で見ることができます。

 

3  更なる現実の暴力への危惧とColaboへの応援のお願い

昨年来、Colaboに対するいわれのない、荒唐無稽なデマ、過激な誹謗中傷が止まりません。私たちは、デマや誹謗中傷が引き起こす直接の妨害行為を強く危惧し警戒してきましたが、本件妨害行為は、まさに私たちの危惧が現実化したものだと言えます。

 

注目して頂きたいのは、妨害者が発した以下の発言です。

「公金チューチューのスキームを作っている」

「共産党や立憲民主党など色々な政治家がからんでいる」

「この問題はColaboだけではない」

「人数を水増しして国に申請」

「やってることが詐欺」

 

これらの発言は、Colaboに対するインターネット上のデマ言説を、そのままなぞったものであることが明らかです。

 

「Colaboの会計に不正がある」との言説はデマであります。そのことは、2023年1月4日公開の住民監査請求結果で明らかにされています。

それにもかかわらず、Colaboに対するデマや誹謗中傷は、その後も止まりません。そして、デマや誹謗中傷に扇動された者たちが、若年女性を守るための現場に対し、直接的かつ暴力的な攻撃を加えてきたのが本件妨害行為です。この現状は、もはや一団体の誹謗中傷被害という域をはるかに越えています。

 

現在でも、インターネット上には、デマを信じてColaboを面白おかしく揶揄(やゆ)し中傷する動画や投稿が大量に流れています。Colabo攻撃は一種の「ネットの娯楽」になり、「Colaboを攻撃すると動画視聴回数が増える」という状況さえ生まれています(この状況に一部の政治家すら加担しています)。実際、Colabo代理人弁護士が妨害者に対し、「公金チューチュー」等の言葉を非難しても、妨害者は「みんなやってるじゃん!」と開き直るばかりでした。インターネット上のデマや誹謗中傷は、それ自体暴力的行動に出る心理的ハードルを下げると同時に、PV稼ぎ等、経済的な効果すら生んでいるのです。

 

インターネットに公開された本件妨害行為を見た人々からは「京都朝鮮学校襲撃事件とそっくりだ」という指摘が複数あります。ナチスドイツの「クリスタルナハト(水晶の夜)」を連想した人もいました。在日コリアンへの差別では、「在日特権」などのデマがネットで大量に流布され、在日コリアンへの危害を促す過激なデモが路上で繰り返された結果、それに扇動された人々が、京都朝鮮学校への襲撃事件や、ウトロ放火事件等、深刻な憎悪犯罪(ヘイトクライム)を引き起こしました。デマや誹謗中傷が犯罪の引き金になるのが憎悪犯罪の特徴です。

Colaboに対する攻撃もそれに似た構造を持っています。インターネット上にまことしやかに流されるデマや誹謗中傷は、特定の集団に対する憎悪をかき立てるとともに、「公金の不正を正す」という大義名分を身にまとうことで、直接的暴力に出る心理的ハードルを下げ、また、娯楽化による経済的な効果を生んでいます。

 

私たちは、本件妨害行為を憎悪犯罪(ヘイトクライム)と表現しました。憎悪犯罪は主に性的マイノリティや人種的マイノリティに対する犯罪を表現する語であり、女性に対する暴力等を表現する語としては必ずしも定着していません。しかし、本件妨害行為は、上記のとおり、過去に繰り返された在日コリアンへの憎悪犯罪と非常に似た構造を持っています。同時に、本件で攻撃のターゲットとされたのは困難を抱える若年女性たちであり、社会の最も弱い層に対する攻撃という点でも共通しているのです。本件の問題の深刻さを表現する語としては、「憎悪犯罪(ヘイトクライム)」以外に考えられません。

 

私たちは、既に、Colaboに対するいくつかの誹謗中傷に対して法的措置に着手しています。しかし、インターネット上にデマや誹謗中傷が拡散し続ける状況下では、いつまた現実の暴力行為が発生するかもしれません。

 

4 まとめ

以上のとおり、本件妨害事件は、インターネット上の荒唐無稽なデマや過激な誹謗中傷に扇動された女性に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)であり、インターネット上のデマや誹謗中傷こそが犯罪を生み出す土壌です。非常に危険な状態は現在も継続しており、事業の継続すら危ぶまれているのが現状です。私たちは、全ての人々に対し、憎悪犯罪を扇動するデマや誹謗中傷に加担せず、これらを非難するよう、呼びかけます。

 

ここで、本件事業の対象となる女性たちの「困難」を生み出したのは、今の社会であり、今の政治であることを、今一度想起して頂きたいと思います。若い団体であるColaboは、社会の生み出した困難を当事者たち(主に若い女性たち)の力で解決しようと立ち上がりました。私たち日本社会は、Colaboへの連帯を示すことで、社会が生み出した困難を社会の内部で解決する、力強さと気高さを示そうではありませんか。

以上

 


Colaboによる若年女性の居場所事業への、深刻な憎悪犯罪(ヘイトクライム)に対する抗議声明

 


【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について

一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団

 

第1 はじめに

1. 2023年1月4日、「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果」が東京都から公表されました。

 これは、書面上は「法人A」と表記され固有名詞は省略されていますが、Colaboが東京都から受託した若年被害女性等支援事業の会計報告について「不正」があるとして、現在Colaboが名誉毀損に関して訴訟を提起した相手方(ここでは個人をあげつらうのが目的ではないので、以下「監査請求人」とします)が東京都に対して請求していた住民監査請求の結論です。


2. この住民監査請求では監査請求人によって 「違法・不当な公金の支出等があるのではないか」「不当利得金の返還請求及び契約の取消等の然るべき措置を執るべきではないか」と多くの「疑問」が提起され、これに関連して、当該請求の中のみならずネット上でも、Colaboに対して激しい非難攻撃が向けられてきました。

 しかし、後にご説明するとおり、そのほとんどは監査委員によって適切に退けられるに至りました。すなわち、本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした。
 一部について「不当」との指摘がなされましたが、後述する通りこれも、都の明示の指針にColaboが従っていなかったと認定されたわけでもなくより透明性の高い行政に向けた、担当部局に対する改善の指摘というべきものにすぎません。


 また、Colaboは、2022年11月29日記者会見の際に公表した 「Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について」  含め5通の書面を公表し、Colaboに対する誹謗中傷が事実に基づかないデマであるということを説明してきましたColaboホームページ 掲載)が、監査結果は、これらの書面に記載したColaboのいずれの説明内容とも合致する内容であり、従前のColaboの説明の正しさが監査結果によっても裏付けられたと捉えています。
   
 私たちは、監査請求人の主張の大半を退けた今回の監査結果について、会計書類を確認した上で事実に基づく的確な調査が行われたものと捉えています。 

 

 監査結果は都の正式公表前に監査請求人に送付され、監査請求人がそれを自身のSNSでコメント付きで公開(有料)したことにより、年末年始期間には既に一部には監査結果を見たとする声がSNSに流れました。

 しかし、その多くは、監査請求人が主張する事実はほとんど認定されなかったこと、すなわち監査請求人が昨年秋頃以降SNS上で流してきた、「医療費不正」「車両費不正」「報告書の不備」等の数々の誹謗中傷が事実ではないことが監査により確認されたということを無視しているなど、事案への正確な理解を欠いているといわざるを得ません。なかには、監査決定書の中で引用されている監査請求人の主張部分をそのまま監査結果であると誤読し、「監査請求人の主張がそのまま認められた」と思い込んでいるようなものさえも散見されました。

 

3. 念のため、今回話題となった若年被害女性等支援事業について、あらかじめ経緯をご説明しておきます。

 Colaboは従来から自らの事業として、アウトリーチ支援、居場所確保、公的機関や施設との連携などを行ってきました。平成30年以降、国および自治体の事業として「若年被害女性等支援事業」が開始されましたが、これはもともとColaboなど民間団体の活動に着目して政策として取り入れられたという経緯があります。(このため、Colaboが従来から行ってきた事業と若年被害女性等支援事業とは性質的にどうしても重なる部分があることはご承知おきください。)

 この若年被害女性等支援事業について、Colaboは都と委託契約を締結し、「都が本来自ら行う事業を、Colaboが都から委託を受け実施する」という形式で行ってきたものです。

 

4. Colaboとしては一定の基準に基づいて予算を申請し、事業の実施のために予算を超えた支出をした場合でも予算の枠を上限として報告し精算してきました。予算を申請した際の予測と実際の状況とでは必然的に一致しないことから、予算の枠内で実際の支出項目を相互に変更することは、事業の性質上、やむを得ないことと認識して対応しています。

 このたびの監査請求にあたって、Colaboは都の福祉保健局および監査事務局による調査に対応し、領収書等についても個別の確認を受け、事実に沿って説明を行ってきました。

 このような経緯を経たうえで、今般の監査結果が公表されたものと理解しています。

 

  以下、Colaboとしてこの監査結果について見解を申し上げます。

 

第2 各論点について

1. ホテルの宿泊費についての不正が否定されたこと(18頁) 

 令和3年度にホテルの宿泊費の予算を300万円(1泊1万円として300泊を想定)として、実際にその予算以上の支出となったので300万円の予算を使い切りました(一時保護対象者の宿泊支援数は232泊)。

 この点について監査請求人は、「実際の宿泊数は300泊ではなく232泊だったのに、300万円を受け取っている。1泊1万円が上限だから請求できるのは232万円のはずだ。つまり68泊分を不正に過剰請求している」と主張していましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 実際、1泊1万円というのはあくまで予算作成の際の目安でしかなく、実際に1泊ごとに1万円という上限が決められていたわけではないこと(1泊1万円を超えた場合もある)、保護対象者以外にスタッフが付き添って宿泊する必要もあることから、これは妥当な結論です。

 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q6) 及び 12/1補足説明 (4項)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。

 

2. 車両関連費についての不正が否定されたこと(19頁) 

 監査請求人は、タイヤ関係などについて不正請求があるとか、賃料月6万円の駐車場を3ヶ月だけ契約する予算を申請したのは選挙運動のためではないか等という主張をしていましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 なお月6万円の駐車場3ヶ月分については、予算の段階では確かに想定していましたが、結果としては契約・使用には至らず、予算の枠内で車両関連の別な必要経費に支出しています。

 もちろん「選挙運動のために公金を使って駐車場を借りた」などというのは、いわれのない誹謗中傷に他なりません。

 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q5)、12/1補足説明 (6項) 、補足説明2(2項) において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。

 

3. 旅費交通費についての不正が否定されたこと(19頁)

 監査請求人はガソリン代が過剰請求になっているという主張をしていましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「試算に基づく請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 

4. 通信運搬費についての不正が否定されたこと(20頁)

 通信費について、誤記が確認されたのみで不正は認められませんでした。

 

5. 会議費についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、予算として請求して使用した会議費が活動報告書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 

6. 各種保険についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、予算として請求して使用した法定福利費(各種保険)が活動報告書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「過大申告とする請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 

7. 医療費についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、Colaboの活動報告書で医療費について医療機関から支援を受けた実績について記載していることを理由に、「支援を受けている医療費について、東京都にも請求しているのは不正請求だ」と主張していました。

 しかし、前者と後者とはあくまで別のものであり、監査請求人のこのような主張は監査委員によって「本件帳簿記録を調査したところ、本件活動報告書で支援があったとする医療費とは別の実際の医療受診費用等を経費に計上していることが確認できるため、医療費が不正に請求されたものであるとする請求人の主張は妥当でない」として退けられました。
 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q4)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。

 

8. 実施状況報告書についての不正が否定されたこと(21頁)

 監査請求人は、都に提出する実施状況報告書と活動報告書の各種の数値に差異があることから、実施状況報告書が不正だという主張をしていました。
 しかしこのような主張は監査委員によって「法人Aの自主事業も含む本件活動報告書と本件委託に係る都に提出した実施状況報告書との差異を述べるにとどまり、本件実施状況報告書に不正があることの合理的な疎明はなされておらず、請求人の主張は妥当でない」として退けられました。
 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q13、14、16)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。

 

9. 「不当」とされた事項について(22頁) 

 監査請求は「違法または不当」な公金の支出等を対象とするものですが、監査委員は、一定の事項について、以下のとおり「違法」ではなく「不当」と判断しました。

 人件費・法定福利費(税理士および社会保険労務士の経費)、領収書の取扱、事業実績額の記載、履行確認について不適切性が指摘され、また、給食費・宿泊支援費について一部、妥当性に疑義が指摘されました。また事業全般についての改善についての勧告も行われています。

 Colaboとして不正な経費の利用を行ってきたとは考えておりませんが、いずれにしてもこれらの指摘事項の具体的な詳細について今後確認したうえで、東京都に対しては、Colaboとしてこれまで行ってきた取扱のあり方について必要な説明を行い、そのうえで見直しや改善が必要ということであれば指導に従い、適切に対処していきます。

 なお、領収書の記載が抽象的であることについては、監査委員も「本事業の特性上やむを得ない事由があることは理解できる」としています。すなわち、虐待やDVから逃げてきた若年女性を保護するという本事業の特性上、その女性やスタッフの居場所の特定につながり得る情報は記載できず、このことは一般的な必要性として監査委員も認めたということです。

 公金の使途の透明性の確保と、本事業の特性に基づく一定の情報の秘匿の必要性のバランスをどのようにして適切に図るべきかは、以前から本事業遂行上の本質的かつ困難な課題であり続けています。

 

 Colaboが関わる若年女性は様々な困難を抱え、暴力的な加害者からの信じがたいほど執拗な追跡から逃げていることもあるので、Colaboはこのバランスにおいてはより慎重寄りに対応してきており、女性やスタッフの安全確保のために領収書の記載は必要最低限とすることが多くあります。このことが、監査委員によって「証ひょう書類としての性質上、領収書として認められるか否か疑義が生じるような領収書が含められていることは不適切である」と指摘されたと理解しています。


 Colaboとしても、もちろん、公金の使途の透明性の確保の重要性は理解しておりますので、今後このようなことについてどのようにバランスをとるべきかは都の担当部局と緊密に協議し、指導に従ってまいります。

 

 一方、監査において「委託事業の経費として計上するにあたり妥当性が疑われる」とされた、「一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代やホテルの宿泊代」「宿泊支援費について都外遠隔地での宿泊代が計上されている」という指摘がありましたが、これらの費用が本事業目的以外への流用などではなく、あくまでも本事業遂行のために行われたものであるということについて、以下で補足してご説明致します。これは、監査に協力する過程で、担当部署に対して説明したことでもあります。

 まず、「一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代」は、2万円以上のレストランの領収証のことを指すと思われます。高額にみえるかもしれませんが、これは大人数での食事代(ひとりあたり1750円~3400円程度で令和3年度の1年間で5回程度)でした。

 また、一人当たりの食費がそれ以上になることが3回程度ありましたが、Colaboの支援対象の女性のお祝い事をするためでした。支援事業において女性との面談等において飲食店を使う際にはファミリーレストラン等の単価の低いレストランばかりですが、この時はお祝い事のため、比較的高額となったにすぎません。たまに行うお祝い事の値段としては特段問題になるほどの金額ではないと思料しておりますし、Colaboに関わる女性たちの多くは生育環境に複雑な問題を抱えており、誕生日や進学、就職などを祝われるという経験がこれまでなかった若年女性もいます。そのようなことも踏まえると、時に、親しい人とお祝いの気持を分かち合う食事の席を経験する機会をもうけることも、重要な若年女性支援事業の一環であるとColaboは考えています。
 これについて、例えば「誕生日祝」などと書き、その情報が情報公開請求等何らかの機会に外部に知られることとなると、その日付の誕生日の女性を追跡している加害者に、Colaboが支援していることを気づかせる端緒になる危険性があり得ます。そのくらい神経をとがらせなくてはならないほどの事情を抱えた女性達とColaboは関わっているということをご理解頂ければ幸いです。

 

 次に「都外遠隔地の宿泊代」についてですが、これは、都外遠隔地の女性からの相談に対応するため、そこに出向いてその女性を自宅外に宿泊させる支援が必要と判断したためのものです。宿泊支援を行っている間に、状況の聞き取りや今後の生活、支援について検討を行いました。

 

 若年女性支援事業では、例えば都内でアウトリーチ等で出会った女性が後に都外で暮らすようになったような事例で、その後も関係性(支援)が続き、地方に出向いて相談や宿泊支援を行うこともあります。このような事例では都の委託事業の経費から支出することは差し支えないとColaboとしては判断しました。詳細な経緯を報告していれば、都の委託事業の経費として特段不当性はないと監査委員もご判断になった可能性はあると思料しています。

 今後都からどの程度の報告をすべきかの指針等示されれば、受託者としては今後担当部署と協議の上、改善方法を検討する所存です。

 

 そもそも、以上に述べたように、虐待やDV等困難な事情を抱える若年被害女性の支援は、事業の性質としては、本来であれば福祉行政が直接責任をもって行うべき性質のものであると考えています。それを民間事業者に委託することには、民間事業者ならではの利点もあるとも考えていますが、同時に、加害者からの追跡に対峙するようなリスクへの対処も民間事業者の責任となるという側面もあります。Colaboはそのリスクを引き受けてもなお委託業務の意義を理解したため受託者としての業務を行ってきました。しかし、このリスクへの対峙について民間事業者の負担が大きくなりすぎてしまうことでよいのかどうか、本事業を民間事業者に委託する福祉行政のありようが本質的に問われる機会ともなったと捉えています。この観点でも今後都の担当部局と協議の機会をもち、適切な業務遂行をしてまいります。
  

第3 まとめ

 以上のとおり、Colaboに対して行われてきた非難攻撃の大半は監査委員によって事実ではないことが確認され、退けられるに至りました。繰り返しになりますが、私たちは、この結果について、会計書類に基づいた的確な監査であると捉えています。

 なお一部、東京都に対して丁寧な説明を改めて行う必要がある事項や、改善が必要となる可能性のある事項もありますが、これらについては真摯に対処し、よりよい事業の遂行を目指していく所存です。

 

 本件の監査において、監査請求人がSNSに流してきた、Colaboに対する多くの誹謗中傷が事実ではないと認定され退けられたことから、Colaboに対する「公金の不正利用」「税金の横領」等のいわれのない誹謗中傷については、今後更に厳正な法的措置で対応する予定であり、これまで証拠の保全に努めてきたこともあわせて申し添えます。

 

 最後になりましたが、このように困難な状況の中でColaboを支援してくださる皆様には、改めて厚く御礼申し上げます。

以上


東京都に対する住民監査請求結果について


【弁護団声明】Colaboの生活保護関係等の業務について

Colaboの生活保護関係等の業務について

一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団

「Colaboは、未成年女子の生活保護の申請にあたって、健康であっても『疾患により就労不能』という虚偽の説明を役所に対して行わせて、不正に受給させているのではないか?」
「生活保護を受給している未成年に、週2回、バスカフェでティッシュ配りのアルバイトをさせて賃金を支払っているのでは?」
などという疑義を述べる声が見られましたので、この点について念のためご説明します。

1 まず当然のことながら、Colaboのスタッフが未成年者の生活保護の申請に同行して支援する業務は現実に行われています。

2 虐待されて親から逃れてきた未成年者については、現に金銭も職業もなく、親族の扶養も受けられず、生活が困難な状況であれば、健康であっても生活保護を申請して受給が認められるのが一般的です。健康な未成年者がわざわざ疾病があるかのように作り話をして申請する意味などありませんし、そもそもそのような不正行為をColaboが行わせることなどありません。

3 このような未成年者が就労を目指すことはもちろん望ましいことであり、Colaboとしても積極的に支援や助言をしています。就労して一定以上の収入が得られるようになれば、支給される生活保護費が減額または停止されることは、言うまでもありません。

4 ちなみに生活保護利用の有無にかかわらず、様々な若年女性の中長期の居住のためにシェアハウスを確保していることは従来から活動報告書などでご紹介してきたところですが、このシェアハウスは、例えば3LDKの物件の場合、その3LDKの物件の中に3名が居住(3LDKの中の各部屋に1人ずつ居住)するというような運用です。(3LDKの中の各部屋に3名ずつ居住して合計9名や10名の大人数が同居生活しているわけではありません。)

5 これまでにも説明してきた通り、Colaboが支えている若年女性には、生活保護利用者もそうでない人もいます。受給要件を満たす人が生活保護を利用することは何ら非難されることではありませんが、Colaboのシェアハウスを利用する若年女性の中に、生活保護利用者は多くありません。なぜなら、Colaboのシェアハウスで支援対象とする若年女性は、基本的にはむしろ公的扶助を利用することができない状況におかれた女性たちだからです(2022年11月29日Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について)。
シェアハウスの利用者が生活保護を申請した場合は、調査の段階で自治体担当者が家庭訪問し、女性が暮らす部屋や、物件の間取りや広さを確認しています。生活保護受給決定後は、規定に沿って保護費が本人に支給されています。本人が役所から家賃として受給している生活保護費以上の家賃やその他の利用料をColaboが本人に請求することはありません。

6 Colaboが生活保護利用者の受給した保護費を取り上げて管理するということはありません。

なお付言すると、仁藤が委員を務める厚労省の「困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議」で検討されている政省令案において、女性に対する給付金を施設が預かることが前提になっていると読める箇所がありましたが、これはColaboの原則的な考え方とは異なるものです。
そこで仁藤は、2022年12月12日付で同会議に提出した資料において、
「民間団体では本人の権利で、本人が受け取るお金の場合は基本的には本人が管理することになっていることが多いと思うが、これは、本人と話し合って預かったりすることもあるということか。預かる前提で書いてあることに違和感があるため、必要に応じて金銭管理を手伝うこともできるという書き方にしてはどうか」
と指摘しています(困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議(第3回)仁藤提出資料)。
ここで直接議論されているのは生活保護費のことではありませんが、前述のとおりColaboでは、名目の如何を問わず、本人が受け取るお金の場合には、基本的にColaboではなく本人が管理することとしています。

7 バスカフェで「ティッシュ配りのアルバイト」というものを行ったことはありません。ティッシュペーパーを配ったこともありません。但し、アウトリーチ活動に参加した若年女性に数千円程度を交付することはあります。これは活動に参加するためにかかる交通費等を援助するものです。もちろん生活保護との関係で申告しないように勧めることはありません。
なおバスカフェは週2回もの頻度では開催しておらず、年間を通じておおむね30数回程度であることは公表しているとおりです。

以上


Colaboの生活保護関係等の業務について


コラボよりご支援のお願い