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【緊急記者会見・声明】性売買女性を被害者ではなく加害者としてみなし、さらし者にする報道に抗議します(2025年7月25日)

7月24日、各社のニュース報道をはじめ、ネットでも紹介された性売買に関する報道における、女性に対する人権侵害について、緊急記者会見を行い、以下の声明を発表しました。

日本テレビ「大久保公園周辺で売春目的の客待ちか 女4人を逮捕」、TBS「歌舞伎町観光客らを狙った“立ちんぼ”」、FNNプライムオンライン「“立ちんぼ”の女4人逮捕の瞬間」等の報道は、多くの問題がありましたが、会見後、削除されたことを確認しました。

 

【性売買女性の摘発と報道の在り方に関する声明】

性売買女性を被害者ではなく犯罪者としてみなし、さらし者にする報道に抗議し、

女性を処罰の対象とする売春防止法の改正、買春者処罰法の制定を強く訴えます。

 

1. 報道による性売買女性に対する人権侵害

2025年7月24日、複数の報道機関により、東京・新宿区における性売買女性の摘発に関して、4名の女性の顔や名前、年齢、逮捕の様子が動画等で撮影され、報じられました。性売買女性を被害者ではなく加害者としてみなし、さらし者にする報道に抗議し、女性を処罰の対象とする売春防止法の改正と買春者処罰法の制定を強く訴えます。

4人の女性は、今年5月から先月にかけて、新宿区の大久保公園周辺で売春目的の客待ちをしていたとして逮捕されたと報じられています。報道では、逮捕時の様子、女性の名前と顔、年齢の他にも、女性が客待ちする様子や、男性から金銭を受け取る様子が動画等で配信され、現在もインターネットで拡散されています。警察から情報を得た報道機関が逮捕前に隠し撮りをしたと思われるものも複数あり、逮捕の様子もそのタイミングで警察が報道機関に撮影させていると思われます。

2024年1月から11月までに88名、2025年1月から6月までに75名の女性が大久保公園付近で売春の客待ちをしていたとして売春防止法違反の容疑で逮捕されており、これまでにも性売買女性摘発の報道が警察発表をベースに行われてきました。

 

2. 性売買の実態を踏まえた取材と構造に切り込む報道の不在

私たちは、性売買のなかにいる少女や女性たちとつながり、脱性売買を支える活動を15年続けてきました。大久保公園周辺で買春者を待つ女性たちともつながり、相談や食事提供、シェルターでの保護、行政機関や専門支援への同行支援、生活支援や就労支援等、様々な支援を行っています。

性売買のなかにいる女性の背景には、生活困窮や孤立、ホストやコンセプトカフェ関係者からの脅しや借金、グルーミング、家族からの虐待や恋人からのDV、帰れる家がない等、さまざまな問題があります。それらは女性の個人的な問題ではなく、女性に困難を背負わせ、孤立させる社会の構造的な問題です。就業や就学ができなかったり、病気や障害を抱えたりしている女性も多く、複合的な困難を抱えた女性を性売買に誘導し、女性たちが性売買で得た金を搾取する業者や加害者の巧妙な手口があります。

私たちが出会う、性売買を経験した女性たちは「それしかなかった」と語ります。それ以外の選択肢がない状況に追いやられたり、そう思わされたりした女性が多く、大久保公園に立っています。

4人は「客待ちグループ」のメンバーであったと報じられています。大久保公園周辺には、女性たちを路上に立たせ、利益を回収する犯罪組織が複数あり、女性を管理しています。そうした実態を報じることなく、女性の個人的な問題であるかのような誤解を生む報道が、これまで他の事件でも続いてきました。

 

3. 必要な支援と法制化に関する報道の不在 ―売春防止法の問題点

日本の売春防止法では、「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない」として、売買春を禁止していますが、性を売る側による「客待ち」や「勧誘」が逮捕や処罰の対象となる一方で、買春行為には罰則規定がありません。性を買う側は処罰の対象とせず、買春者は売春の「相手方」として法的にも受動的な存在として位置づけています。女性差別的なこの規定が1956年の制定から70年間改正されていません。

売春防止法は「売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものである」としながら、性売買を女性に対する人権侵害として捉えるのではなく、性売買女性を処罰の対象とすることで性搾取の構造を覆い隠して来ました。

今回の事件について、外国人観光客らから「女性にお金を渡したが、性行為ができなかった」などという通報が、およそ9か月で11件寄せられたと報じられています。日本では、性を買おうとした男性たちが警察に行っても、逮捕されることがないことが世界で知られているからです。今回の事件に関する報道でも、逮捕された女性が晒される一方、彼女たちを買う男性たちの顔は隠されていました。

今、大久保公園周辺では、日本の男性のみならず、世界中から少女や女性を買うために性購買者が集まっています。自国では犯罪となることも、日本では咎められることがないからです。

 

4. 買春行為を処罰の対象とし、女性に脱性売買支援を

北欧やフランス、韓国などでは、買春者処罰法(性平等モデル、買春禁止法などとも言われる)が制定され、性購買者を処罰の対象とし、性売買のなかにいる女性の脱性売買を支える法律があります。

買春者と業者を処罰し、性売買を経験した女性に対しては、被害からの回復のために、シェルターでの保護や生活支援、医療、法的支援、インターンシップ制度や進学援助など、数年間の時間をかけて自身の被害を見つめ、これからについて考える時間と経験、手厚い支援を国が保障しています。

今回の事件で捜査員が、逮捕された女性に「売春防止法の客待ち、前も捕まったことあるよね」と話す場面が報じられています。一度逮捕されてもまた路上に戻ってくるのには、理由があります。

女性を性売買させる組織や、そこから利益を回収している男性たちの存在と手口、また女性を性売買に誘導する社会の構造を見つめ、女性達が性売買をしなくても生きて行けるような選択肢のある社会にしなければ、性売買のなかにいる女性たちの状況は変わりません。

 

5.報道による性売買女性に対する差別と偏見の助長

性売買は、女性に対る暴力です。お金を介することは、一番容易な支配であり、性売買の現場で女性は買春者だけでなく、性売買で得た金を搾取する男性や業者からの何重もの暴力と搾取の被害を受けています。

これまでの報道ではそうした実態が明るみに出ず、性売買女性を悪とみなす価値観や差別意識が広がっています。同時に、性売買女性は見世物として、差別や嘲笑の対象として扱われ、大久保公園で客待ちする女性が無断で撮影されたり、ネットで配信されたりする被害も相次いでいます。

そのような社会の中で、性売買の経験が知られることは、女性のその先の人生に多大な影響を及ぼします。インターネット上に拡散された映像はたちまち世界中に拡散され、削除は困難です。今回の事件のように、性売買女性として実名顔出しで逮捕の様子が公表されることは、女性を被害からの回復や、自立から遠ざけます。

性売買問題に関する報道の際には、女性の人権と尊厳を守るため、プライバシーの保護を重視し、差別と偏見を助長しないため、性売買の実態と構造的な問題に目を向けた報道を求めます。

以上

■記者会見配布資料:
・資料1「性売買女性の摘発と報道の在り方に関する声明文」(2025年7月25日 一般社団法人Colabo)
・資料2「性売買女性の顔出し・実名報道による人権侵害に抗議します」(2025年7月25日 性売買経験当事者ネットワーク灯火)

■メディア掲載
・朝日新聞 『「性搾取された女性がさらし者」支援団体が「客待ち」逮捕報道に抗議』(2025年7月25日)
・弁護士ドットコム『「女性を見世物に」売春摘発の実名報道でColaboが抗議、”買春者”処罰の法改正も求める』(2025年7月25日)


【報告】『若年女性を対象とした支援の在り方に関する研究成果報告会-Colaboとつながった若年女性に着目して』調査報告書と当日の様子を公開しました。

2022年、女性支援法が成立し、性搾取に取り込まれやすい若年女性に対する支援が法律に盛り込まれました。しかしその後も、全国から家出した少女が歌舞伎町に集まり、彼女たちを狙った性売買業者の活動は活発化しています。家出や性搾取の問題が、少女の「非行問題」として語られることも続いています。支援の必要性が認識されても、具体的な支援の在り方が理解されないまま、形だけの支援が広がりつつあることに危機感を覚えています。

Colaboは若年女性たちと「共にある」ことを大切にしていますが、それはどういうことなのか、どのようなかかわりを持ち、どのように活動しているのかを伝えるため、2020年、調査研究チームを立ち上げ、若年女性たちとのかかわりの記録から、必要な支援の在り方を分析し言語化を試みました。

2025年6月14日、「若年女性を対象とした支援の在り方に関する研究成果報告会」を開催し、調査の成果を報告するとともに、韓国で性売買女性を支える活動をおこなってきたチョン・キョンスク氏を招き、若年女性に対する支援の在り方について考えました。

研究者の方々からは、少女たちの置かれた状況と背景にある問題、福祉や既存の制度の在り方を検討するとともに、若年女性が経験する困難や傷つき、回復や「自立」に至るまでに必要な時間や経験、関わりやつながりについて、Colaboの実践から言葉にしていただきました。

性売買を経験した日韓の当事者たちからの発言や、韓国からのゲストのチョン氏とのクロストーク等でも、女性支援のあり方や、「性売買が労働になりうるのか?」等について議論しています。

調査研究報告書と、当日の報告会動画を公開します。ぜひ、ご覧ください。

 

■調査研究報告書(無料ダウンロード)

若年女性を対象とした支援の在り方に関する研究-Colaboとつながった若年女性に着目して

本調査は、日本財団「孤立・困窮する若年女性に対する相談対応および居場所支援」の助成により実施しました。

■研究成果報告会の様子

■プログラム
第一部:若年女性を対象とした支援の在り方に関する研究 成果報告
・日本の若年女性の現状や取り組みの実際・課題 報告:仁藤夢乃(Colabo代表)
・若年女性が経験する困難と支援課題 報告:岡部茜(大谷大学)
・Colaboの若年女性とのかかわり 報告:阿比留久美(早稲田大学)
・かかわりによる若年女性への影響と支援のあり方に関する提案 報告:阪東美智子

第二部:日韓の実践から考える女性支援
「韓国の性売買サバイバーとともに歩んだ経験から~支援において大切なこと」
ゲスト:チョン・キョンスク氏

韓国釜山の女性人権支援センター「サルリム」初代所長。二十代の頃は生きる道を探して迷い続けたが、二十代後半に女性学に出会い、釜山で性暴力、DV、性売買の分野で現場活動家として働くようになり、性売買女性を支援する「サルリム」を立ち上げた。性売買の現場に飛び込み、性売買女性の信頼を得ながら支援する活動に全力を注ぎ、その軌跡が「玩月洞の女たち 韓国の性売買サバイバーとともに歩んだ女性連帯の記録」(現代人分社)として日本でも翻訳出版された。

釜山女性団体連合代表、釜山地方裁判所青少年和解勧告委員としても活動するかたわら、大学で女性学および社会福祉学を講義するなど、多方面にわたって活躍。現在、釜山広域市女性暴力防止総合支援センターセンター長、釜山国際映画祭非常任理事を務めている。

■当日、Colaboの新たなプロジェクトについて発表を行いました。

性搾取と女性差別に抗う女性たちの活動拠点を作る 「女性人権センター」建設プロジェクト

こちらで詳しくご覧いただけます。応援、よろしくお願いいたします!

■寄付サイト:https://congrant.com/project/colabo/17660

■ご寄付のお願いチラシ:ダウンロード


【裁判勝訴と加害者起訴のご報告】「暇空茜」こと水原清晃氏が刑事事件で起訴され、民事訴訟の二審でも被告に名誉棄損で220万円の賠償命令が下されました。

2022年夏よりColaboと代表・仁藤に対して、デマ拡散や誹謗中傷を繰り返している「暇空茜」こと水原清晃氏が、名誉毀損罪で在宅起訴されました(2025年3月26日付)。

また、Colaboが2022年11月29日に提訴した裁判の高裁判決において、一審に引き続きColaboが勝訴し、水原氏による名誉棄損が認められ、Colaboと代表の仁藤に対する合計220万円の賠償命令が下されました(2025年4月17日)。

Colaboに会計不正等がないこと、暇空茜による発信が事実を歪曲して行われたデマであることが地裁に続き高裁でも認められました。これまで、暇空茜との関連の裁判15個すべてでColabo側が勝訴しております。

名誉毀損訴訟においては高額の220万円の損害賠償と投稿の削除が命じられていますが、私たちが受けた甚大な被害に見合った金額ではありません。

水原氏は、すでに「Colaboと戦う」名目で2億円以上のカンパを集め、刑事事件起訴後にも500万円以上増額したと公言しており、このままでは被害が拡大するばかりです。有罪判決が出ても、罰金刑や執行猶予では止まらないことが予想されます。実刑判決が下されることを強く望みます。

差別やデマを繰り返し、加害すればするほど儲かるミソジニーの収益化に歯止めをかけるため、
デマや誹謗中傷等の違法行為によって得た利益を回収し、被害者に対する賠償額に上乗せするなど、加害者が利益を得られないような対策に向けた議論や法整備が必要です。

根も葉もないデマや誹謗中傷、それに乗じた無数の暴力に晒されるなかでも活動を続けることができているのは、支援者の皆様のおかげです。支え続けてくださり、本当にありがとうございます。

引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

■代表仁藤コメント「暇空茜こと水原清晃に対する賠償命令・刑事事件における起訴に関して」

■弁護団声明 「暇空茜」こと水原清晃の起訴にあたっての弁護団声明

■記者会見動画 https://www.youtube.com/watch?v=QpK1p1Ht5h0

■会見の内容
・判決について(神原元弁護士)
・起訴にあたって(太田啓子弁護士)
・Colabo代表・仁藤夢乃よりコメント
・その他係争中の民事訴訟、刑事告訴について(岸本英嗣弁護士)
自民党川崎市議浅野文直に対する民事訴訟、江藤貴紀氏(音無ほむら/エコーニュース)に対する刑事告訴
・質疑応答

■配布資料
・資料1「弁護団声明」(2025年4月18日)
・資料2「高裁判決_令和6年(ネ)第3913号損害賠償等請求控訴事件、同第5386号同附帯控訴事件」(2025年4月18日)
・資料3「刑事事件暇空起訴状」(2025年3月26日)
・資料4「暇空関連訴訟結果とポイント一覧」(2025年4月18日時点)
・資料5 「暇空茜こと水原清晃に対する賠償命令・刑事事件における起訴に関して」(Colabo仁藤)

■メディアによる報道
弁護士ドットコムニュース「Colabo訴訟 「暇空茜」の控訴棄却、二審も賠償命令…仁藤さん「賠償220万円は安すぎる」刑事事件でも「実刑望む」」(2025年4月18日)
時事通信「「暇空茜」名乗る男性に二審も賠償命令「コラボ」側への名誉毀損―東京高裁」(2025年4月18日)
共同通信「「暇空茜」を在宅起訴 中傷被害法人、厳罰訴え」(2025年4月18日)
毎日新聞「「暇空茜」を在宅起訴 Colaboへの名誉毀損罪などで 東京地検」(2025年4月18日)
神奈川新聞「Colabo訴訟、二審も賠償命令 東京高裁、「暇空茜」の控訴棄却」(2025年4月17日)
Yahoo!ニュース「「暇空茜」敗訴&起訴でColabo会見 「ミソジニーの収益化に歯止めを」」(小川たまか)(2025年4月18日)

■これまでの報告
報告集会「ミソジニーと権利の濫用~女性支援に対する一連の攻撃と、少女達に今起こっていること」(2024年10月2日)
エコーニュース(江藤貴紀)に385万円の賠償命令(2024年9月24日)
暇空茜こと水原に名誉棄損で賠償命令(2024年7月18日)
暇空茜氏に対する名誉毀損訴訟・地裁判決についての弁護団声明(2024年7月18日)
裁判進捗について記者会見(2023年10月16日)
若年女性支援団体に対する深刻な妨害に対する東京都の対応に関する記者会見(2023年6月1日)
Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見(2022年11月29日)


【弁護団声明】「暇空茜」こと水原清晃の起訴にあたっての声明

一般社団法人Clolabo及び仁藤夢乃弁護団

Colabo及び仁藤夢乃代表理事に対し、2022年の夏からインターネット上で膨大な誹謗中傷を繰り返している「暇空茜」こと水原清晃が、名誉毀損罪で在宅起訴された(2025年3月26日付)。公判期日は未定である。罪状は、暇空が2022年9月9日に公開したブログ(note)で、「Colaboは10代の女性を3人部屋(タコ部屋)に住まわせて生活保護を受給させ、毎月1人65000円ずつ徴収している」などと、Colaboが不正な活動を行っているかのような内容の文章を投稿したことにより、Colaboの名誉を毀損したとするものである。
Colabo及び仁藤は、このnote記事を含む暇空の投稿が名誉毀損にあたるとして提訴し、既に2024年7月18日付東京地裁判決は暇空に対し220万円の損害賠償を命じている。2025年4月17日付東京高裁判決もこれを維持した。他方、違法とされた2022年9月9日付note記事を台本とする2022年9月24日付の動画再生回数は128,452回(2025年4月17日現在)にのぼる。

暇空による膨大かつ執拗な誹謗中傷攻撃は2年半にも及ぶ。Colaboが関わってきた若い女性たちは、虐待や貧困に苦しんできた背景を持ち、Colaboとつながることで居場所を見出し将来に向けて歩もうとしているが、暇空のデマ攻撃は、このような若い女性たちの健康や生存に関わる支援活動にまで甚大な悪影響を及ぼした。到底許すことができない悪質な犯罪行為である。 暇空は民事訴訟では自身が原告となった訴訟も含めて大量の敗訴判決を重ねているが、これによっても暇空による誹謗中傷はとどまる気配もない。暇空には違法行為に関しておよそ一切の反省もみられず、民事訴訟の場でもインターネット上でも、以前と同様、自身を、公金不正疑惑を追求していると位置づけ、尋問が採用されてもなお、一切法廷に出てくることはなかった。
暇空は、自身の行動を批判したColabo代理人弁護士2名やネットユーザーを何人も訴えるなどし、敗訴を重ねている。暇空は、神原元弁護士が、2022年11月29日の提訴記者会見において、暇空の行動について「権利濫用」「女性差別」等と批判したことに関して、名誉毀損として提訴したが、東京地裁判決は暇空がColaboの関係者に対して意図的に、相当程度の精神的苦痛を与えているという事実も暇空がColaboの関係者に対し精神的苦痛を与える目的をもって東京都に対する情報開示請求及び住民監査請求を行ったことも真実、暇空の情報発信の動機が女性に対する差別意識や嫌悪に基づくと述べたことには真実相当性がある、暇空による情報開示請求及び住民監査請求が「権利濫用」との指摘も意見論評の範囲で適法と結論付けた。

また、暇空は、太田啓子弁護士がエックスにおいて「#暇アノン」との言葉で暇空を批判したことについても提訴したが、これに違法性はないとし暇空の請求を棄却する判決が確定している。それでもなお、暇空はまったく自身を省みることはない。それどころかむしろ自分は何か弾圧されているとの被害者意識をより一層募らせているようにさえみえる。 更に重要なことは、暇空は、違法行為の遂行により多額の収益を得ているということである。

暇空は、Colaboによる民事訴訟提訴の1週間後にnoteで「今回の戦いへのカンパを募集します」として口座振込によるカンパをネットで呼びかけ、同人によればその金額は総額204,193,484円にのぼる(2025年4月1日現在)。他にも暇空はnoteにおける訴訟書類の販売やYouTubeでの投げ銭などによっても収益を得ている。暇空は、2025年3月27日のYouTube動画で自身が起訴されたことを報告し、コメント欄には視聴者からの「応援しています」などのコメントと共に投げ銭が多数記録されている。暇空は3月28日には「カンパほぼ500万円ほど増えてました」とエックスに投稿しており、3月29日のYouTube動画では起訴状の画像を配信し、やはり多数の投げ銭が記録されている。これは、起訴をネタにした動画拡散によってカンパが増額したということを意味する。

暇空の場合、民事訴訟のみでは到底違法行為を止めることはできず、更には起訴さえ何らの抑止にもなっていないことは明白である。 このような状況では、有罪判決が下されても罰金刑や執行猶予判決では、暇空による誹謗中傷攻撃は今後も止まらないことが容易に予想される。暇空が、違法行為を含む誹謗中傷の拡散によってきわめて高額な収益を得ていることは、今後の再犯を強く基礎づける事情である。

Colabo及び仁藤としては、この刑事訴訟において暇空に対し可能な限り厳しい処罰が下されることを強く求める。同時に、暇空の誹謗中傷拡散を支えてきた社会のありようについても議論が喚起され、同様の被害に苦しむ者が今後生まれないようにするためのあらゆる対策が講じられることを願うものである。

 「暇空茜」こと水原清晃の起訴にあたっての弁護団声明

「暇空茜こと水原清晃に対する賠償命令・刑事事件における起訴に関して」(Colabo代表仁藤)

 高裁判決(令和6年(ネ)第3913号損害賠償等請求控訴事件、同第5386号同附帯控訴事件)

 

■記者会見の報告をこちらからご覧いただけます。

【裁判勝訴と加害者起訴のご報告】「暇空茜」こと水原清晃氏が刑事事件で起訴され、民事訴訟の二審でも被告に名誉棄損で220万円の賠償命令が下されました。


【弁護団声明】Colabo・仁藤夢乃氏から江藤貴紀氏(音無ほむら/エコーニュース)に対する 勝訴判決確定・被告による賠償金支払い及び記事削除のご報告

一般社団法人Colabo及び仁藤夢乃弁護団

 

一般社団法人Colabo及び仁藤夢乃さんは2023年2月22日に江藤貴紀氏(Xアカウント名は「音無ほむら」、「エコーニュース」と題するウェブサイトを運営)を提訴し、東京地方裁判所は2024年9月24日、江藤氏に対し、不法行為(名誉棄損及び名誉感情侵害)についての損害賠償金として、Colaboに対し165万円、並びに仁藤さんに対して220万円を支払うよう命じました。江藤氏は控訴しましたが、東京高等裁判所は2025年3月19日、控訴を棄却しました。上告はされず、江藤氏の敗訴判決が確定。江藤氏は利息を含め410万円以上をColaboに支払い、関連記事を削除したことをご報告致します。

本件訴訟は、江藤氏がColaboについて「大量脱税の疑いがある」「自身が所有するアパートに若い女性を住まわせて、その受給する生活保護費から毎月家賃を徴収して3億4000万円以上の収益をえることを目的として、10代の知的障害者をアパートの入居者として勧誘している」などとネットに投稿し拡散したこと等について名誉棄損にあたるとして提訴したものでした。

江藤氏は「法的見解を述べた」「仮定した場合の一般的な問題点を指摘した意見ないし論評」と弁明しましたが、判決は「疑問形の形式をとりつつも脱税の事実を摘示したとみるのが自然」等と江藤氏の主張を全て退け、真実性も真実相当性もないとして名誉棄損の成立を認めました。

また、本件判決は、江藤氏が、仁藤さんが高校の文化祭でフランクフルトを食べている写真について、「疑似口腔性交」「疑似フェラ」等の卑猥な表現を用いて仁藤さんを侮辱する投稿を多数行ったことについて、江藤氏の行為は「敢えて原告仁藤を性的に揶揄する意図の下で、本件写真に卑猥な文言を加えて本件各ツイートをした」「社会通念上許される限度を超える侮辱」にあたると認定し、名誉感情侵害及び肖像に関する人格的利益の侵害を認めました。

以上に述べた通りColabo及び仁藤さんの主張が全て認められた完全勝訴を得ることができたこと、認容された損害額が高額であることなど、この勝訴は、昨今インターネット上に蔓延している、女性差別的な動機に基づく攻撃について参照されるべき重要な成果であると考えています。

他方江藤氏は、「取材と裁判準備の寄付を募集」として、ネット上でカンパを募り、同氏によるとその金額は「入金総額1310万1204円(個人口座限定)。弁護士費用660万円ちょうど(コラボ相手とモブ開示合計。また被告事件の報酬金は経済的利益を排除した額によるMAXの132万円で計算(もしコラボに取られたら、訴訟費用はより高くなる)」(2023年9月26日ツイート)とのことで、事実であれば、損害賠償額以上の利益をカンパによって得たことになります。

「多くの人が支持するミソジニーな動機に基づく嫌がらせをすることによって加害者が収益を得ることができ、その代理人弁護士もそれによって報酬を得られる」という状況、いわば「ミソジニーの収益化」というべき深刻な事態が起きていることを多くの方に知って頂き、私たちの社会は何をすべきかの議論を喚起したいと考えます。完全勝訴判決は喜ばしいことですが、デマ・誹謗中傷によりColaboが被った深刻な被害はいまだ回復していません。虐待や貧困によって家庭に居場所がない少女を暴力と性搾取から守ろうとする活動がここまで貶められ、攻撃を受ける社会であるということを、多くの方に重く受け止めて頂きたいと願います。

この裁判を支援して下さった皆様に心より御礼申し上げます。

 Colabo・仁藤夢乃氏から江藤貴紀氏(音無ほむら/エコーニュース)に対する勝訴判決確定・被告による賠償金支払い及び記事削除のご報告

■東京地方裁判所での判決:エコーニュース(江藤貴紀)に385万円の賠償命令(2024年9月24日付)
https://colabo-official.net/houkoku20240924/

■報告会の動画をこちらからご覧いただけます。


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