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代表コラム|性売買を女性の責任と思いこむ記者の質問

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【緊急記者会見】性売買女性を被害者ではなく加害者としてみなし、さらし者にする報道に抗議しますの会見中、あまりにも無理解な記者が、「大久保公園に立つことをやめるように女性達に支援団体は言っているのか?」「支援団体の力不足では」「女性の認識をまず変えるべき」などと繰り返し言って来ました。
個別具体的な事例に言及した場面もあったため、会見後、すぐに公開するため当該記者の質問部分はカットして公開しましたが、重要なやりとりであると考え、個別の事例に関わる部分以外を公開します。

会見冒頭で、大久保公園周辺に立つ女性達の背景や、性売買に女性を誘導する社会構造について説明したにも関わらず、
当該記者は「そもそも支援団体で大久保公園に立つと危ないからやめさせることはできないのか?そのあたりの力不足について」
「女性の認識を変えるのが一番最初じゃないのか?」
「大久保公園に立って売春することが問題で、危ないからやめるように考え方を変えるように女性達に言ったのか?」
「大久保公園に来ないように支援団体は女性達に言っているのか?」と繰り返しました。

「危ないから来ないで」ではまったく意味がなく、女性たちの状況は改善されないこと、
背景にある女性達から搾取する男や業者などの問題に目を向け批判する必要があること、
支配と暴力の関係性やトラウマの影響とケアの必要性等を説明しても、まったく理解せず
「女性の認識を変えるのが一番最初じゃないのか?」と言ってきて、他社の記者たちから、質問ではなく議論であると止められていました。

このレベルの認識や理解力の記者が報道に携わっていることを市民は知るべきですし、
性売買問題について、その本質に迫る取材や実態を踏まえた報道がいかにされていないか、
なぜされないのかがよくわかるやりとりなので、ぜひご覧ください。

業者や搾取者の手口、女性を性売買に誘導する社会構造、性売買によって女性が受ける被害、支配や暴力からの脱却の難しさ、脱してからも続く被害やトラウマの影響、回復までの道のり、必要な関わりや支援について、日本社会では女性支援団体を含めて、行政もメディアも、市民も、ほとんどの人が理解していません。

理解を広めるためにこれからも頑張りますが、当該記者とのやりとりでもわかるように、根底に性売買女性に対する差別意識、蔑視があると、理解の前提として必要となる姿勢を持つことすらできないのです。

そうした人が多い社会だからこそ、今回のように報道各社によって女性の人権を侵害する報道がなされ、市民の性売買女性に対する差別意識が強化されるのです。

追加で公開したのは、ここから5分程のやりとりです。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/tAJ4hsbL7JU?si=85ogMm12h1061E9d&t=1885

写真は、その記者の質問に呆れつつ、言い分を聞いている様子。

会見後、ほとんどの報道機関が問題の記事を取り下げ、顔出し報道は全てなくなりましたが、未だ実名報道を行なっている報道機関には削除を申し入れています。

声明文や当事者の声はこちらでご覧下さい。
https://colabo-official.net/info/news/20250725.html

性売買問題に関する報道の際には、女性の人権と尊厳を守るため、プライバシーの保護を重視してください。
差別と偏見を助長しないため、性売買の実態と構造的な問題に目を向けた報道を求めます。

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