性売買のなかにいる少女たちと繋がり、性搾取から抜け出す手助けをし、共に歩む活動をしているColaboは、活動を始めてから15年間、常にデマや誹謗中傷に晒されてきました。妨害がひどくなるのはいつも、当事者たちと性搾取の実態について声をあげたときでした。
行政からは「若年女性支援の枠組みはない」「家に帰れず性売買する少女なんてどこにいるんだ」と言われ続けてきたため、私たちは市民の寄付や民間助成を頼りに、少女たちとつながるアウトリーチやシェルター等の活動を自主的に続けてきました。少女たちと共に公的支援の機能不全や性搾取の実態を訴え、市民の理解と関心が広がっていきました。
2022年、日本で初めての女性支援の根拠法となる女性支援法が成立。私も厚労省の検討会構成員として、少女を取り巻く性売買業者や買春者らの実態、支援の必要性を訴え、「若年女性支援事業」が新法に組み込まれました。いよいよColaboの行ってきた、支援につながる前に危険に取り込まれている少女たちを探し、出会い、つながり、生活を支えていく活動が全国各地に広がりはじめるというタイミングで、Colaboに対する「会計不正」等のデマが拡散され、誹謗中傷の煽動にミソジニーを内面化している人たちや、性売買業者とつながる政治家たちが加担しました。妨害を受け、国の女性支援法の基本計画からは、「性売買」という言葉が削除されました。一方で、加害者は「Colaboと戦う」名目で2億円以上のカンパを集めたり、選挙に出馬し当選した者たちもいます。
私たちは、活動現場への直接的な妨害を含めた無数の暴力にさらされることになり、それを理由に東京都と新宿区はColaboに活動中止を求め、バスカフェを歌舞伎町から追い出しました。その後、東京都がColaboに代わり事業を委託した団体では、施設内での性暴力や性売買への斡旋、職員が相談者に薬物を勧めるなどの事件が相次いでいます。女性差別の思想に基づき、少女を弱いものとして扱い、搾取や暴力を生み出す男社会の構造を温存しながら女性支援を名乗る団体が急増し、若年女性支援は衰退しています。
今後も、性搾取に抗い、女性差別に反対する活動を続け、声をあげることをやめない限り、このような暴力は止まないでしょう。
Colaboの活動に連帯し、支えてくださる方の多くは、長年女性差別に抗ってきた女性の先輩方です。みなさんからのたくさんの励ましと連帯にこれまで支えられてきましたが、高齢の方も多く、この先5年、10年、20年と時間が過ぎたとき、40代、50代になった私は、日本の女性差別の現状にどう抗って行けばよいのか、不安でいっぱいです。
そこで、「女性人権センター」を建設し、男社会からの嫌がらせや暴力に屈せず、追い出されることのない女たちの活動拠点を作りたいと考えました。世代を超えて女性たちがつながり、差別に抗う、「闘う」女性たちの連帯がうまれる場所にしたいです。女性たちの力で、女性たちのゆるがない拠点をつくりたいです。応援よろしくお願いします。