コラム
スタッフコラム
国際連帯
性搾取

-3月下旬、韓国の性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」代表のムムさんが来日し、性売買問題を考えるシンポジウムに登壇していただきました。日本での交流の報告をムムさんが書いてくださいました。ー
今回の日本訪問は、単なる予定以上の意味を持ち、私に深い響きと確信を残した時間だった。性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」を代表して東京を訪れ、様々な当事者や活動家たちと会い、互いの経験や悩みを分かち合えたという点で、今回の旅は私の活動に大きな確信を与えてくれた。
3月6日、コラボとの出会いは、異なる国で活動しているにもかかわらず、私たちが同じ問題意識と目標を共有しているかを確認する場だった。各自の活動を共有する中で感じたのは、国は違っても、性売買経験を持つ女性たちが直面する現実とその中でのスティグマと孤立、そしてその現実を変えようとする努力が驚くほど似通っている点だった。言語と文化の違いを超えて互いを理解し共感できた時間だった。何より4年ぶりにユメノに会い、私達が互いに、それぞれの場で懸命に活動し生きていることに感謝した。
7日には日本の性売買経験者ネットワーク「灯火」のメンバーと一緒に新宿一帯を歩きながら、多くのことを話した。単なる観光ではなく、それぞれがなぜこの運動を始め、なにが私たちを動かし続けているのかについて、深く語り合うことができた。街の風景の中で交わした会話は、より率直で、お互いの人生をより深く理解するきっかけとなった。あの日飲んだ抹茶ラテに感動したように、彼女と過ごしたその短い時間も、長く心に感動として残り続けるだろう。
同日午後には、コラボ活動家たちと一緒に反性売買の勉強会を行い、YouTube撮影にも参加した。私たちのことをより多くの人々に伝えるための試みであり、そのプロセス自体が非常に意味深く感じられた。それぞれの経験が単なる個人の物語ではなく、社会を変える声になり得ることを実感した。性売買経験女性として、顔と名前を明かさずに活動しながらも、自分の経験を存分に発言できるという一端を体験したような気がした。
夕方には、日本在住の韓国人性売買経験女性と会い、韓国の支援体制について説明する時間を設けた。異国で独り暮らしをする中で抱えてきた悩みや不安が伝わってきたし、彼女が「ムンチ」のことを知って嬉しかったと言ってくれた時、深い連帯感を感じた。彼女とまた会うことを約束した。今、この文章を書いている瞬間も、彼女が健康でいてくれること、そして必ずまた会えることを願っている。
同日の夕方、歌舞伎町を訪れた時の経験は、今回の日程の中で最も強烈に記憶に残った場面の一つだった。至る所で路上にいる若者や性売買女性と顔を合わせることができ、路地の入り口にある無料案内所は衝撃そのものだった。特に、至る所から聞こえてくる韓国語や、韓国のタバコの箱、韓国の焼酎の空き瓶を見て、ここでも韓国人が性的搾取の対象になったり、あるいは性購買の主体として存在し得るという事実が肌で感じられた。それはもはや「他国の話」ではなく、私たちが共に直面すべき現実であることをはっきりと示す瞬間だった。
また、歌舞伎町の通りには無数のコンセプトカフェや類似性行為が行える性風俗店が立ち並び、日本という空間の特異性と同時に、性産業の構造がどれほど多様に存在しているか、法の抜け穴を狡猾に突いて女性を対象化し、収益手段として利用しているかを、身をもって実感することができた。
(風営法の改正により)性売買広告に関する法律が変化し、以前よりも露骨な表現は減ったと言っていたが、文字を読むことができなくても、それが何を意味する空間かを十分に認識できた。その風景は、性売買産業が形態を変えながらも依然として存在していることを示しており、私たちがなぜこの問題を今後も語り続けなければならないのかを改めて気づかせてくれた。
3月8日の午前中には、日本のメディアとのインタビューが行った。 7つのメディアが参加し、当事者の声で性売買の問題について語った。日本でも、反性売買の議題について関心を持ち、声を上げている人々が少しずつ増えているという事実が印象に残り、変化の流れの中で私が共に立っているということを感じた。
午後にはシンポジウムを行い、韓国の性売買経験当事者を代表して発表した。私の経験と、その経験を通じて気づいた脱性売買支援の必要性について話すことは、依然として簡単ではなかったが、同時に最も重要なことだと確信した。発表を通じて私が伝えたかったことは、ただ一つ。脱性売買は個人の意志だけで成し遂げられるものではなく、社会的支援と構造的な変化が必ず必要だという点だ。
私の話は、誰かにとっては初めて聞く話だったかもしれないし、誰かにとっては自分の人生を思い起こさせるきっかけになったかもしれない。その想像だけでも、その場は十分に意味があった。
シンポジウムが終わり、同日夕方には、コラボと「灯火」のメンバーたちが再び集まり、互いの活動や悩みを分かち合う時間を持った。一日の長いスケジュールの終わりに共に交わした会話は、ますます深く率直なものだった。私たちは互いの違いを確認することよりも、どうすれば共にできるかを悩んだ。 その過程で感じたのは、「連帯」は単なる言葉ではなく、私たちの心と心が触れ合い、その間で生まれた、言葉では説明できないつながりだった。
今回の日本訪問を通じて、私は再び確信することができた。私たちの経験は、孤立したものではなく繋がることができるものであり、そのつながりは変化を作り上げることができるものだということ。違う国で生きていても、私達は同じ問題に向き合っており、同じ方向を見ている。そして、その道の上で互いに支え合っている事実は、これからの活動において大きな力になるだろう。
短く、長い3日間の日程だった。私は多くの人に出会い、たくさん話し、なにより「共にしている」という事を感じる事ができた。今回の経験は、私にとって単なる思い出ではなく、これからの活動において重要な動力になった。これからも繋がりつづけ、より多くの当事者が声を出せるように、そして多くの人々と共にしていけるよう、前に進んでいきたい。
その他「ムンチ」の活動報告は下のリンクから👇
https://jkyd2004.org/activities/?idx=170607564&bmode=view
















SUPPORT
共に声を上げ、
社会を変える
仲間になりませんか
少女たちを追い詰める社会構造を変えるため、共に声を上げ、共に闘う仲間を募集しています。